太平洋にたくさんの島々があるのに、よく知らないなぁと思い、こんな本を買ってみました。
『地図でスッと頭に入るオーストラリアと太平洋の島々』
タイトル的にはオーストラリアが推されているように思えますが、それ以外の島々の紹介にも重きを置いています。ちょっと気になる国ナウルや、南極も出てきます。
まずイラストが多くて楽しいというのが第一印象でした。私のように事前知識のない人が気軽に読むのに適していそうですが、かと言って情報が少なすぎることもないと思います。
「アナタハンの女王」の話をはじめ、いろいろな小話が載っているのも楽しいです。そのほかの日本人、日系人、日本にゆかりのある人物たちも写真つきで多数紹介されているので親近感がわきます。
太平洋と言えば、むかし日本が戦争をした所でもあるのでその足どりに照らし合わせて読むのもありだと思います。その歴史の文脈で聞いたことのある地名が出てくると、「こんなに遠くまで行ったんだなぁ」と、何とも言えない気持ちになります。
人口ランキング、経済成長ランキング、平均寿命ランキングなど、おなじみのランキングに加えて死刑制度の有無、殺人事件発生率、同性愛に対する考え方なども巻末にリストアップされていて見比べるのに便利です。とくに同性愛については、各国の政策や文化の違いがはっきり見えてくるようで興味深いです。太平洋という広大な地域にありながら、ともすると同類視されがちな国々の違いをわずかでも知れたことが、個人的には一番の収穫です。
この本は、すきま時間などに好きなページを開いて読むのにもとても適しています。内容的には、小学生の低学年でなければ十分に楽しめる子もいるはずです。
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