古来から各国にコミュニティを築いてきた中国系の人々。彼らはブルネイ社会にも根づき、商業や文化面で影響を与えてきたそうです。中華系ブルネイ人とは、どのような人たちなのでしょうか。
※「中華系」と同じような意味で、華人、華僑、中国系などの言葉を使用することがあります。
概要
中華系ブルネイ人は、ブルネイの人口の約10%、だいたい4万人と考えられます。主に首都バンダルスリブガワンやその周辺に住んでいて、商業や企業経営に関わっていることが多いようです。生活水準は比較的高く、教育にも力を入れていて、多くの人がブルネイ内外の大学で学んでいるそうです。
ブルネイでは、公務員が総労働力の約25%を占めていてかなり多いですが、中華系ブルネイ人は公務員になる人が少ない傾向らしいです。多くの公務員はマレー系ブルネイ人で、これは政府や行政でマレー系が主な役割を担っているためと言われているようです。
中華系コミュニティ
中華系ブルネイ人のコミュニティは19世紀初頭に作られたそうです。主に福建省や広東省から移住してきて、商業や貿易で大きな役割を果たしてきたのだとか。
自分たちの文化を保ちながらブルネイ社会に溶け込み、20世紀には教育や政治にも進出して地位を確立したそうです。今では、ブルネイの商業や文化行事で重要な役割を果たしているようです。
マレー系ブルネイ人たちとは基本的に友好的のようですが、少し距離があることもあるようです。ブルネイではマレー系が多く、中華系は少数派ですが、商業活動では成功しています。お互いに違った伝統を持ちながらも、共にうまく共存し、民族間の調和を図る努力がされているそうです。
言語
一般的に、中華系ブルネイ人は公用語のマレー語(ブルネイ・マレー語)を含め、いくつかの言語を話すことが多いようです。
家庭内での会話やビジネス、教育の場面で広く使われる主要なコミュニケーション手段としては、華語(標準中国語)つまり北京語があります。中華系ブルネイ人の多くが華語を話すらしいです。
広東系の中華系ブルネイ人は広東語を話すことが多いようです。広東語は、特に広東省から移住してきた人々の子孫の間で用いられ、家庭内や広東系コミュニティでの会話に話されるそう。
福建系の中華系ブルネイ人の中には、福建語(閩南語=みんなんご)を話す人もいて、福建省出身の移民の子孫によって家庭内で使われることがあるようです。
英語も中華系ブルネイ人の間で広く使用されるとか。ブルネイの教育システムやビジネス環境では、英語が重要な言語として位置づけられていて、多くの中華系ブルネイ人がビジネスや教育の場で英語を使いこなすそう。
ただし、それぞれの言語の使用状況は、家庭の背景や地域、個々の文化的な要因によって異なることがあるそう。
宗教
宗教的には、中華系ブルネイ人の約40%が仏教徒、10-20%がキリスト教徒で、道教徒は少数派と言われているようです。イスラム教の華人が全くいないわけではなく、マレー系ブルネイ人との結婚(あまり無いらしい)などで改宗するケースはあるかもしれないとか。