フィリピン人女性との交際前に【リーガウとハラナ】

リーガウ アイキャッチ フィリピン

フィリピンの恋愛は、交際をするまでの流れが日本と少し違います。

今回はフィリピンの恋愛をか語るうえで欠かせないリーガウの文化についてまとめました。

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リーガウとは

フィリピンの恋愛では、交際するかどうかを決める期間を経てから、交際することが多いです。この文化を「リーガウ」といいます。

リーガウは、男性が女性に「リーガウをしてもいいですか?」とたずねて、了承されると始まります。英語なら、「Can I court you?」(キャン・アイ・コート・ユー?)や「Can I ligaw you?」(キャン・アイ・リーガウ・ユー?)などとたずねることができます。(「court」を使ったほうが伝わりやすい可能性があります。)

リーガウ期間中、男性は贈り物やお手伝いなどを通して、相手の女性とその家族に自分をアピールします。

現代のリーガウの期間は、短くて数日、長くて数年におよびます。

リーガウは、「男性が女性に、時間をかけて交際を申し込むこと」と説明してもいいと思います。

ただ、実際のところ、男性のほうもリーガウ中に本当に交際したいかどうか見きわめているようなので、やはり「交際するかどうかを決める期間」のほうが実態と近い気がします。

ちなみに、リーガウ中に男性側が興味をなくした場合、フェードアウトするのが一般的なようです。これを現地では「ゴースティング」と呼ぶことがあります。

リーガウ中のことを、「Mutual Understanding」(ミューチュアル・アンダースタンディング)略してMU(エムユー)と呼ぶこともあるようです。ただし、これはお互いに他に意中の相手がいない際に使われると聞いています。

昨今のリーガウは、だいぶ現代的にアレンジされていたり、省かれることさえあります。ただし、リーガウという文化自体は現代のフィリピンでもごく一般的なものです。(古臭いとの意見もありますが。)

ちなみに、イスラム教徒でもリーガウをするそうです。ただし、結婚となるとイスラム教への改宗が必要かと思います。また、厳しい戒律で知られる「イグレシア・二・クリスト」では、異教徒との恋愛さえも認めていないと聞いています。

リーガウの呼び方は地域によって違う

フィリピンには異なる言語や方言がたくさんあるので、「リーガウ」と呼ばない地域もたくさんあります。

例えばルソン島の南部では「スーヨ」(suyo)と呼ばれることもあると聞きました。またセブの方では「パングヤブ」(panguyab)などと呼ばれることがあります。

(※「リーガウ」の名詞にあたる「パングリーガウ」(pangligaw)の同意語が「パングヤブ」だそうです。ちょっとややこしくてすみません。)

ルソン島北部のイロカノ語では「アレム」(arem)、レイテ島などのワライワライ語だと「ウヤブ」(uyab)と言うようです。(スペルがまちがっているかもしれません。)

英語だと、コーティング(courting)、コートシップ(courtship)などの呼び方がされるようです。

リーガウ中の行動

リーガウ中の男性の行動として代表的なのが、職場や学校への送り迎えです。リーガウ中は、できる限り相手の女性と行動を共にするそうです。その間、バッグを持ってあげるなど、レディファーストの精神で尽くします。

ちなみに、リーガウ中はキスできません。手をつなぐことについては、意見が分かれます。人によって考えが違うので、気を付けたいところです。

同時に複数の女性にリーガウできる

少なくとも現代のリーガウでは、同時に複数の女性に対して行ってもOKです。ダメという意見の人も、たまにいますが。女性のほうも、同時に複数の男性からリーガウされてもいいらしいです。

男性がいちずに一人の女性にリーガウすれば本気度が伝わると思うので、女性側の印象はよくなるはずです。

リーガウと浮気

なかには、彼女がすでにいるのに他の女性にリーガウする男性もいます。これは当然、浮気です。

こうしたケースでは、リーガウされる側の女性が男性にすでに交際している彼女がいることを知らないことが多いらしいです。

リーガウ中の贈り物

リーガウ中のお迎えの際に、男性がちょっとしたプレゼントをすることはよくあるそうです。一番よくあるのは花だそうです。

定番はバラで、赤、ピンク、白、それから最近はレインボーカラーのバラなど様々な色のバラが贈られます。バラが贈り物として人気な理由は「愛のシンボル」であることと、よく売っている花なので手に入れやすいことがあるようです。

他にはカーネーションやピオニー(シャクヤク)なども贈られるそうですが、ピオニーは価格がお高めということでした。

ランの花を女性に贈る意味

花なら何でもいいというわけではないようです。

例えばランを贈られた女性のお話しだと、ランが「園芸好きの母親世代」のイメージだったため、とても奇妙に感じたそうです。人によって感じ方は違うかもしれませんが、花によってイメージが違うため少し気を付けたほうがいいみたいですね。

女性を迎えに行くたびに花を贈るという男性もいれば、たまにしか贈らない男性もいて様々です。

女性の家族への手みやげ

女性の家族に気に入られることは重要なので、男性は家族に贈り物したりしてご機嫌を取ることが多いそうです。

例えば、女性の家族全員分のピザやジョリビーのハンバーガーを買ってあげたりする男性(テレビでやってました)もいます。

リーガウの期間

リーガウにかかる期間は数日、数週間、数か月、数年など個人差が非常に大きいです。都会のほうでは、例えば一年かかると長すぎる、という感覚のようでした。

なかには数年リーガウを続けたあげく、結局交際してもらえないこともあるようです。ただ、複数人に同時にリーガウするケースがあるとすると、ちょっと見方が変わりますね。

また、「ghosting」(ゴースティング)という言葉が使われるようですが、これは、リーガウをしている途中の男性が、何も言わずにリーガウをやめてしまうような時に使われます。

リーガウをしないケースも出てきている

現代のリーガウは堅苦しいものではなくなってきています。マニラなどの都市部では、「女性がリーガウしても、別にいいと思う」と言う人もいるくらいです。

リーガウが行われる期間も徐々に短くなり、数日~数週間で交際をOKするケースもそれほど珍しくなくなっているようです。

もともと友達同士の男女なら、リーガウ期間を全く設けないケースもあるようで、男性が交際を申し込んだらすぐにOKされ、その直後から交際がスタートすることもあるそうです。

また、外国人男性とお付き合いをする時にはリーガウはなくても良いという女性もなかには存在します。ただ、そんな中でもリーガウをしたいという外国人男性がいたなら、高く評価されるのではないでしょうか?

リーガウは相手の女性だけでなく、彼女の家族を知る機会でもあります。フィリピンの人と交際したり結婚することは、その家族とも深いつながりを持つことを意味することが多いです。真剣交際に発展する前に彼女の家族のことをよく知る機会があることは良いことではないでしょうか。

SNSの出会いと危険

フィリピンではインターネット(特にSNS)を通じて男女が出会うことは一般的です。若者たちの間では、リーガウをSNS上だけで行うこともめずらくなくなっています。

実際に会ったこともない男女がカップルになったり、なかには容姿を全く知らないまま交際をしているケースもあるようですので、フィリピンの伝統的な考え方からはかなり変化してきていると言えそうです。

健全な関係であれば問題はないかもしれませんが、よく知らない相手と親密になることにはもちろんリスクも伴い、犯罪に巻き込まれる危険性も取りざたされているそうです。

フィリピンの恋愛を取り巻く環境は、特ににインターネットとSNSの普及によって大きく変化したのだと思います。

伝統的なリーガウ

現代のリーガウは、むかしと比べると、だいぶ現代的です。伝統的なリーガウはもっと厳格なものだったといいます。

今のリーガウと共通しているのは、男性が女性の家族のお手伝いをするところです。たとえば、下記のようなお手伝いをしたそうです。

  • 木を切って、炊事に必要な薪をつくる
  • 女性の家族の生活に必要な水を運んでくる
  • 女性の家の中の掃除をする

しかし、こうしてつくしている間(つまり、リーガウ中)に、男性はその女性に会うことができなかったそうです。男性が女性の家の中を掃除している時でも、女性のほうが部屋にこもって会わないのがしきたりだったとか。

男性が長期間(数か月?)つくした後、女性の家族に認められると、正式にリーガウが認められた状態になるので、そうすると、ようやく会えるようになるということでした。

ただし、手をつなぐなどはNGです。めでたく婚約までこぎつけることができて、やっと手をつなげるようになったそうです。

両想いなのに、女性の家族に認めてもらえない場合には、パグタタナン(pagtatanan)という手段に出る男女もいたそうです。パグタタナンは、日本の「かけおち」と同じような意味のようです。

※個人から聞いた話を参考にしています。地域によって違いがあるかもしれません。

パママンヒーカンとは?

リーガウが女性にお付き合いを申し込む行為である一方、女性の両親に結婚の許可をもらうことを「パママンヒーカン」と言います。

セブでは「パマライ」、ボホールでは「パマジ」など地域によって呼び方が違います。

都市部ではパママンヒーカンをしない人たちも増えてきていますが、たとえば、ミンダナオ島の田舎のほうではまだ8割ほどがパママンヒーカンをするという情報もあります。

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