今回は、フィリピンの犬事情です。特にフィリピンのいなかでは、放し飼いの犬や野良犬をあちこちで見かけると聞いています。
「アスピン」と「アスカル」
フィリピンでは、一般的に猫より犬のほうがペットとして人気があるようです。(2021年現在)
実際にハスキーやチャウチャウ、セントバーナードなどをかっている人の話を聞きましたが、おそらくダントツで飼われているのが、アスピン (aspin)とか、アスカル(askal) とよばれる犬です。(呼び方が違うだけです。)
どうやら、アスカルという呼び名は「street dog」(路上の犬)という意味で、あまり好ましい呼び方じゃないらしく、近年はアスピンとよばれることが多いみたいです。下が言葉の意味です。
- アスカルは、asong kalye(アソング・カリエ)の略。「asong」は犬、「kalye」はストリートという意味と聞きました。
- アスピン(aspin)は単に「フィリピンの犬」という意味。「pin」は「pinoy」の略。「pinoy」は「フィリピンの」という意味なので、「フィリピンの犬」となります。こちらの呼び方が好ましいそう。
アスピンは、日本の柴犬や秋田犬などとは少し違っていて、雑種と聞いています。これが本当だと、定義があいまいな気がしますね…
アスピンの地位
わたしが聞いた範囲では、お金に余裕がある人のほうが小型の室内犬を飼う傾向があるようでした。とうぜんですが、小型犬のほうが「エサ代が少ない」と言っていた人もいるので一概には言えないです。
また、ペットショップを利用するより、知人をとおして子犬をゆずり受けたりするほうが一般的みたいです。野良犬を飼い犬にするパターンもあると思われます。
室外犬として多い種類は、やはりアスピンです。番犬として人気です。飼い犬でもつながれていないことが多く、野良犬と見わけるのがむずかしいそう。
フィリピンではアスピンのような室外犬と、その他の犬を、「別もの」のようにあつかう人たちがいると聞きました。アスピンはぞんざいにあつかわれてしまうことがあるらしいです。
放し飼いの犬
「開発途上国の夜の犬は怖い」と聞いたことがあります。
一般的に「犬は夜行性ではない」と言われるようですが、私が話をきいたフィリピンの人たちは、夜の犬のほうが怖いと言っていました。野良犬だけじゃなく、飼い犬もつながれないことが多く、狂犬病などの病気もありますし、たしかに怖いですよね。
田舎では、そういった病気はなんと、ニンニクとお酢で治ると信じている人もいるようです。
お金に余裕のある人の犬はワクチン接種していることが多いそうですが、一般庶民がかっているアスピンなどの室外犬は接種されないのがふつうみたいです。
たまに民間の団体が、無料でワクチン接種活動をしているらしく、そうした機会を利用する飼い主もいるとか。
シェルター
フィリピンにもシェルターみたいな施設はあるそうです。
そこから犬を迎えることも可能です。また、関連団体や個人(獣医さんなど)が、譲渡会のようなこともするとか。
そうした場合、フィリピンでも職業やお給料などの情報を提示することがあるようです。飼い主の経済力をちゃんと確認するわけですね。
フィリピンでは、啓発活動の一環として、有名人がシェルターで犬をゆずり受けるテレビ番組があると聞きました。
こうした活動は、日本でも効果があるかもしれませんね。
盲導犬
盲導犬などのアシスタントドッグについても聞いたことがあります。「どこかにいるかもしれないけど、自分は見たことがない」というかんじの人が多いです。
お金持ちなら、盲導犬を「買う」ことができると言っていた人もいます。