フィリピンのミンダナオ島には、さまざまな先住民族が暮らしています。その中にマノボ族がいます。
マノボ族は「Manobo」と表記されますが、地元民が発音すると「マヌヴ」のようにも聞こえます。現地の発音により近い「Manevu」とつづることもあるようです。
マノボ族には、もともと固有の言語や宗教があります。ただ今では、そうした伝統を保持していない人も多いようです。マノボ語は、イスラム教を信仰するマギンダナオ族やマラナオ族の言語にかなり近いそう。
じつはミンダナオ島各地には、異なるマノボ族が点在しています。
最近、アロマノン・マノボ族(Eremenun Manevu)の女性に出会いました。(カタカナ表記については自信なしです。)アロマノン・マノボ族は、おそらく北コタバト州のアロマン(Aroman)が本拠地なのではないかとのことです。
さて、フィリピン女性の美しい褐色の肌を「モレナ・ビューティー」と呼ぶことがありますが、マノボ族の肌色を表す言葉は「カユマンギ」だそうです。カユマンギは、モレナよりもさらにダークな肌色だそう。ただし同じフィリピンでも、地域によって言葉の使われ方が異なったりするので正確なところは分かりません。
フィリピンには、パプアニューギニア人に似たような身体的特徴を持つ原住民がいます。ルソン島のアエタ族などがそうですが、こうした人たちは「ネグリト」と呼ばれたりすることがあります。これがミンダナオ島だと、ビサヤ語の「ニティボ」(Nitibo)という言葉が使われるそう。
現地民によると、ニティボの肌色こそがカユマンギなのだそうです。ただ、アエタ族とマノボ族の身体的特徴があまり似ていない気がするので、マノボ族の肌もカユマンギだと言われてしまうと、ちょっと混乱します。
多数派のフィリピン人と身体的特徴が異なる先住民の子供たちは、いじめの対象になったりもするそうです。たとえ、混血が進み容姿からは判別できなくても、名前が原因でいじめられることもあるとか。
そのいっぽう、先住民族の子供たちは国から奨学金や学費面で援助してもらえたりするそうです。これは、ミンダナオ島でイスラム教を伝統的に信仰している民族の子供たちも同様のようです。
※個人のお話を参考にしています。