フィリピンの【ホーリーウィーク】のご紹介

フィリピンのホーリーウィークタイトル画像 フィリピン

キリスト教系の信者が多数派のフィリピンでクリスマスと並んで大切にされているのがホーリーウィーク(Holy Week)です。聖週間と直訳できます。

 

今回は地域によって、また家庭によっても違うホーリーウィークの過ごし方についてご紹介します。

 

食事制限復活のお祝い、地域によっては志願者によるイエスが処刑される場面のリアルな再現など、びっくりするようなホーリーウィークの一面も含めて書いてみました。

 

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ホーリーウィークとは

ホーリーウィークは十字架にかけられたイエスを哀悼する期間ですので、フィリピンの他のイベントのような派手な雰囲気はないと思います。ただし、最終日にあたる日曜日には(イースターサンデー)はイエスの復活をお祝いします。

 

ホーリーウィークは最終日のイースターサンデーまでの一週間と考えていいと思いますが、それ以前にもアッシュウェンズデーなどの関連行事があります。

 

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ホーリーウィークは国民の祝日

ホーリーウィークのうち、木曜日から日曜日までは国の祝日になるようです。企業のなかには木曜日を半日出勤にしているところも多いと聞きます。

 

コールセンターやオンライン英会話など外国人相手のビジネスの場合は通常営業になるようです。

 

商店もお休みになることが多いので、木曜日までに買い物などを済ませておくと安心だそうです。ただ都会では休まない店ももけっこうあるらしいので、その場合はあまり心配しなくても大丈夫かもしれません。ただし閉店時間は通常より早まったりする傾向はあるそうです。

 

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ホーリーウィークの食事制限

ホーリーウィークに行われる食事制限は厳密な断食とは違うことがほとんどです。それでも、この食事制限を英語で「ファスティング/fasting」(断食)と言っているフィリピンの人たちはとても多いです。一方「アブスティナンス/abstinence」(禁欲)と呼んでいる人たちもいて、こちらの言葉のほうが実態と合っているのではないかと思います。

 

みんなやるの?

フィリピンにはカトリック以外のクリスチャンも多いのですが、この時期に食事制限をするのは主にカトリックの人たちのようです。フィリピンにはカトリック信者がとても多いので、多くのフィリピン人が食べ物や飲み物の制限をしていると考えていいと思います。

 

食事制限は厳しくやる人からゆるくやる人まで様々です。(厳格な信仰者の間では、一週間水だけで過ごす例も存在していて、まれに死亡例もあるようです。)

 

お年寄り、妊婦、子供は食事制限をしなくて良いことになっているそうです。この場合の「子供」の定義は18歳以下と説明してくれた人もいましたが、地域によって違う可能性があります。

 

ポーズをきめるフィリピンの男の子

 

期間は?

ファスティングの期間は長い人から短い人まで様々です。一週間以上やる人もいればイエスが処刑されたとされる金曜日だけ少し気にする程度の人もいるようです。

 

例えば最終日前日の土曜日まで食事制限を続ける人もいれば、イエスが亡くなった金曜日の午後3時以降からいったん普通に食べ始めて良い地域もあるなど、個人や地域によってかなり違いが出ます。

 

また、毎日同じ食事制限をするわけではなく、ホーリーウィークの聖書の出来事に合わせて制限の内容に変化があることが普通のようです。

 

ただ個人的には、ホーリーウィーク中の木曜日から何らかの食事制限を始める人が多い印象を受けました。

 

なかにはアッシュウェンズデー(イースターサンデーの46日前)からすでに何らかの制限を始める熱心な人もいると聞いています。

 

何を食べないの?

大まかには、肉を食べるのをさけたり、食べるものを限定したり、少食にしたり、お酒を飲まなかったりして制限します。ただし細かいルールは地域差や個人差がとても大きいので、ひとくくりに説明するのは難しいです。

 

例えば豆のスープだけにする人、肉も魚も食べない人、野菜中心の食事で過ごす人などいろいろなスタイルがあります。

 

ただ、ほとんどの人に共通するのは肉を食べないということです。

 

グリルした肉を食べることが特に良くないと信じている地域もあるようです。もし食べてしまうと肌が黒くなってしまうという迷信のようなものが存在する地域もあります。

 

食事以外の制限もある

ホーリーウィーク期間中は外出をあまりしないという人も多くいます。食料や日用品を買いに行くのはOKらしいですが、特に田舎のほうでは木曜日からは閉まっているお店が多いので買い物自体が難しい可能性があります。

 

なかにはホーリーウィーク中はSNSをやめるというユニークな制限をしている人もいます。この行為には、犠牲を払う意味がこもっているそうです。

 

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様々なホーリーウィークのかたち

狂信的なホーリーウィークの行事

フィリピンではホーリーウィークで十字架にはりつけされたイエスを再現する行事の一環として、志願した人が実際に手のひらと足に釘をうたれ十字架にかけれる姿が見られることがあります。

 

昨今ではカトリック教会からもやめるようにとお達しが出ているようですが、未だにやっているところはあります。

 

丘の上の三つの十字架

 

有名なのはルソン島パンパンガのサンフェルナンドの例です。

 

礼拝から始まり、イエスがはりつけにされて処刑されるまでの様子が再現されます。登場する人物たちはそれぞれ配役された人たちによって演じられます。

 

そして志願した男性の手のひらと足にイエスと同じように実際に釘が打たれ、十字架にはりつけられるのです。

 

これはイエスが十字架にかけられたとされる金曜日に行われます。フィリピンの宗教行事でよく行われるリエンアクトメント(聖書の場面を再現する劇のようなもの)の一場面として行われているものです。

 

地元では「犠牲」を意味する「シナクロ」(Sinakulo)や「セマナサンタ」(Semana Santa)などと呼ばれることがあるそうです。

 

一部情報によるとここ数年の志願者は同じ人物らしいです。「毎年のように同じ人がやっているのがニュースで報道される」と地元の人が言っていました。

 

近年では、海外からこの行事を見るためにたくさんの外国人が訪れるそうなので、地元の経済にも貢献している面があります。

 

フィリピンの常識をくつがえすバンタヤンのホーリーウィーク

ホーリーウィークは最終日こそイエスの復活を祝ってハッピーに終わるものの、大部分はイエスの苦難を悼む期間です。

 

ところがセブ島の北に位置するバンタヤンでは、ホーリーウィーク期間中でもお祭りと言ってもいいほどの様子らしいです。他の地域のフィリピン人がこの様子を見るとショックを受けるようですが、ホーリーウィーク期間中のフィリピンでお祭り騒ぎができる貴重な場所なので、観光客には人気のようです。

 

不謹慎と感じる人もいるかもしれませんが、バンタヤンのホーリーウィークの過ごし方にはちゃんとした理由があるようです。

 

私が聞いた話によると、バンタヤンの人たちははもともと裕福ではなかったため、肉を買うことができず一年中魚を食べていたそうです。そこでだいぶ以前に、ローマ教皇がバンタヤンではホーリーウィークの間に肉を食べることを許したのだそうです。

 

フィリピンのバンタヤン島の教会

 

現在のバンタヤン住民がそこまで貧しいかどうかは別として、その時のお達しによって現在の状態になったようです。

 

以前は酔っぱらって明け方までパーティーをやっていた人たちもいたそうですが、現在ではもう少し早めに切り上げるようになったらしいです。

 

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ホーリーウィークのスケジュール

大まかにホーリーウィークと関連行事の流れを、私が知る範囲で書いてみました。

 

【水曜日】アッシュウェンズデー

アッシュウェンズデー(Ash Wednesday)はイースターの46日前の水曜日です。日本語では灰の水曜日といいます。

 

教会で神父さんが信徒のひたいに炭で十字架を書いてくれる日です。この日に何らかの食事制限をはじめる信仰熱心な人もいるらしいです。

 

ひたいの十字架は邪悪なものから信徒を守ってくれるそうです。アッシュウェンズデーの24時間はシャワーやお風呂などに入ってはいけないとも聞いています。

 

アッシュウェンズデーの灰

 

【日曜日】パームサンデー

パームサンデー(Palm Sunday)はイースターの日曜日の前の日曜日です。教会にのヤシの葉でつくられた十字架に見立てたものを持っていき、神父さんに祝福を受けた後、自宅のドアの表に飾っておきます。家の中の悪いものを取り払ってくれると信じられているそうです。

 

この十字架に見立てたものは、田舎のほうでは自分で作ることも多く、自分で作らなくても知り合いに頼んで作ってもらうこともあるそうです。都会では購入することが多いです。

 

タガログ語でこの十字架を「palaspas」(パラスパス)と呼びますが、地域によっては全く通じません…

 

【月曜日】グッドマンデー、またはホーリーマンデー

通常カトリック教徒は日曜日に教会に行く慣習がありますが、ホーリーウィークには平日でも教会に行く人が多くなるそうです。

 

グッドマンデー(Good Monday)から肉を食べるのをやめ、魚や野菜中心の食事にする人たちもいます。

 

地域によっては主に月曜日から金曜日までの間、カトリック教徒が街で聖書の音読をするところもあります。(スピーカーを使ったりもするそうです。)

 

なんとヘブライ語で音読できる人たちも存在します。その場合、地域に合わせて通訳者も同行するらしいです。

 

【火曜日】ホーリーチューズデー

月曜日とほぼ同様。

 

【水曜日】ホーリーウェンズデー

月曜日とほぼ同様。

 

【木曜日】マンディーサーズデー

マンディーサーズデー(Maundy Thursday)から国の祝日になります。この日はイエスと信徒たちの「最後の晩餐」を記念する日です。この日から肉を食べるのをやめたり、食事制限を始める家庭が多いようです。

 

【金曜日】グッドフライデー

イエスが処刑されたとされた日を悼むのがグッドフライデー(Good Friday)です。

 

食事制限や断食はこの日をメインにして行われます。ほとんどの人たちが肉を食べません。教会ではイエスの最期の七つの言葉( Seven Last  Words)についての礼拝があるそうです。

 

【土曜日】ブラックサタデー、またはブラックサバス

ブラックサタデー(black saturday )、ブラックサバス(black sabbath)またはホーリーサタデー(holy saturday)など色々な呼び方があります。

 

前日にイエスが処刑され、日曜日に復活する間の悲しみに満ちたイエス不在の土曜日という意味合いがあると思われます。

 

【日曜日】イースターサンデー

イースターサンデー(Easter Sunday) は、イエスの復活祭です。この日も本来であれば教会に行ったほうが良いそうですが、行かないでお祝いする人たちもけっこう多いみたいです。

 

特にセブ周辺ではビーチでイースターサンデーを過ごすことが定番になっています。バーベキューをしたり海で楽しんで過ごすそうです。

 

ビーチでバーベキュー

 

他の地域では、タガログ語で「サロサロ」と呼ばれる小さなパーティーをして家庭でお祝いするところもあります。

 

企業などでもゆで卵に色付けしたり絵を描いてあちこちに隠した後、みんなで探すイベントをすることがあるそうです。イースターエッグに一番きれいにペイントできた人や一番多く卵を見つけた人などにお小遣い回程度の賞金があったりすることもあるようです。

 

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