フィリピンの信仰と考え方
フィリピンでは、「婚前に体の関係になることは悪いこと」という意識を持っている人が多くいるようです。宗教をおもんじる国だからこそだと思います。
それでも若い世代は早い年齢から行為に及び、これまた信仰ゆえに避妊が嫌われる傾向も残っているみたいです。
それなのに、妊娠が分かったとたん逃げたり、責任のがれする男性がけっこういるらしく、これがシングルマザーが増える原因のひとつと聞いています。フィリピンのシングルマザーは若年化しているそうです。
シングルマザーへの風あたり
かつての日本がそうだったように、フィリピンのシングルマザーは周りからよく思われない風潮があるようです。
信仰上は婚外子が認められていないわけですから、心ない人たちの誹謗中傷のターゲットになりがちです。当の子供のほうも周りの目を気にして、お父さんがいないことを隠したがる傾向があるとか。
法的には「シングルマザー」とは言えないかもしれませんが、夫と別居してお母さんがひとりで子供を育てているケースも多いようです。一部の例外を除いて、法的に離婚が認められていないわけですから、再婚もできない状況でいるわけですね。(ただし再婚のような同棲はあります。)
ランナウェイ・ダディ
父親はフィリピン人とは限りません。通称「ランナウェイ・ダディ」と呼ばれる、自国に逃げてしまった外国人男性も含まれます。日本人もいると思われます。
近年の韓国産エンターテイメントの大人気で、韓国人男性に憧れる女子もいる中、関係を持った母親と赤ちゃんが置いてきぼりにされてしまうこともあるそうです。
洗礼と婚外子
またシングルマザーは、子供に洗礼を受けさせるため教会に行った際に悲しい思いをすることがあるそうです。儀式が始まる前の説教で、いかに婚前の深い関係が許されないか、という内容の話を聴かされることがあるというのです。
おめでたい日に存在を否定するようなことを言わなくてもいいのに、と思うのですが…
フィリピンのシングルマザーへの公的支援
日本では、シングルマザー(またはシングルファザー)への手当てや支援が用意されていますが、それでも、多くのシングルマザーの置かれる状況は厳しいと思います。
フィリピンでは現時点では支援制度はほぼ無い状態と聞いていますが、セブ市では独自にシングルマザーに支援金や住居を提供しようという動きがあるようです。自治体によって政策が違うようですね。
家族の支援が頼り
フィリピンでは、成人しても家族と同じ屋根の下で暮らすのが一般的らしいので、公的な支援が無くても家族の助けを得ながら、なんとか暮らしていけるケースが多いと聞きます。
ただし、たまに娘を勘当するような親もいて、そうなってしまうと大変です。立派に生計を立てる女性もいますが、家族の助け無しでシングルマザーとして生きるのは困難なため、なかには人生を諦めてしまう女性もいるそうです。
とはいえ、フィリピンは家族を非常に大切にする文化なので、家族の助けが得られることは多いと思います。
父親が逃げてしまうことを先に書きましたが、その場合、母親のお父さん(子供のおじいちゃん)や男兄弟の出番です。
「うちの娘と結婚しないと、どうなるか分かっているな…!」という、日本ではあまり起こらないような展開もけっこうあるようです。ある意味では頼もしいですね…