フィリピンのイスラム教とは?【一夫多妻制】

イスラム教 モスク フィリピン

フィリピンのイスラム教のイメージといえば、ミンダナオ島かもしれません。ただ、他の地域にもイスラム教徒はいます。今回は、フィリピンのイスラム教についてです。

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イスラム教に改宗する人たち

フィリピンでは、宗教が違うもの同士の結婚は、それほど珍しくないようです。

ただ、相手がイスラム教徒の場合は、イスラム教への改宗が必要なのだそうです。(地域にもよるかもしれませんが、戒律の厳しいイグレシア・ニ・クリストでは、異教徒と恋人関係になることさえも禁じていたりします。)

女性が改宗するパターンも、男性が改宗するパターンもあるようです。なかには、結婚とは関係なく、イスラム教の教えが気に入ったため、キリスト教から改宗する人も存在します。

イスラム教に限らず、改宗するフィリピン人というのは、珍しい存在ではないです。

とくに、結婚が理由で改宗することについて、本人があまり抵抗を感じないケースがあることは、おもしろいと思います。ただし、本人が抵抗を感じなくても、家族の理解が得られないことはあるようです。

イスラム教に改宗した人たちは、イスラム教徒の名前がつくので、公的な手続きをする時などに(名前が変わったことで)やや混乱をまねくことがあるそうです。

厳密には、「改宗」という言葉は使用しないようです。これらの人々は「イスラム教徒に戻った」というような意味の「バリック・イスラーム」(Balik Islam)と呼ばれ、そのプロセス自体もこの言葉で表現されます。カトリック以前に、フィリピンにイスラム教が根付いていたことと関係しているという話も聞いています。

フィリピンのイスラム教の一夫多妻制

フィリピンのイスラム教徒については、フィリピンの法律よりも、イスラム教のシャリーア(イスラーム法)を優先していい場面もあると聞いています。

フィリピンでもイスラム教徒の男性ならば、複数の妻を持つことができるそうです。(キリスト教徒など、他の宗教の場合はダメです。)一夫多妻制は、現地では「ドゥワヤ」(duwaya)などと呼ばれます。

すべての妻や子供を養う経済力があることや、公平にあつかうことなどが条件となります。

アラブ諸国などと同じで、奥さんは4人までという決まりだそうです。ただ、ミンダナオ各地の人たちに聞いてみた結果、「7人~8人位が上限」と言う人や、「人数に上限はない」と言う人、「4人までだけど、信心深いイスラム教徒なら妻は1人のはず」と言う人など様々です。

ミンダナオ島には、イスラム教を信仰する民族がいくつも存在していて、異なる慣習もみられるようです。他の民族をさして、「○○族はイスラム教の教えをきちんと理解していない」などの意見も聞かれたりします。

お見合い結婚も多いらしく、生まれる前から家族間で婚約が決まっていることもあります。結婚ができる年齢についても、「特に決められていない」と説明されたことがあります。これが合法かどうかは、よく分かりません。

フィリピンのイスラム教の慣習

イスラム教徒は豚肉を食べないことで知られていますが、なかには家族などに内緒でこっそり食べている人もいるらしいです。

イスラム教は、誕生日は祝わないそうなので、結婚のために改宗した女性の中には、子供たちのためにお祝いしたり、プレゼントがあげられなかったりするのが、少し寂しいと感じる人もいるようです。ただし、親しい友達とだけ地味に誕生日を祝うような人は存在します。

また、フィリピンでは、華人の行事である旧正月(チャイニーズ・ニューイヤー)なども一緒に祝ったりするらしいのですが、イスラム教徒はあまり祝わないと聞きました。

フィリピンのイスラム教徒の子供たちは、通常の学校のほかに、イスラム教の教えを学ぶ学校(madrasah)にも通ったりすることがあるようです。

フィリピンには、女性が男性と正式にお付き合いするかどうかを判断する期間をもうける文化があります。これはタガログ語で「リーガウ」と呼ばれているのですが、イスラム教もリーガウをするそうです。

リーガウについて詳しく知りたい方はこちらです↓

フィリピンのイスラム教の服装

フィリピンのイスラム教徒の女性も、ヒジャブをしていることが多いようです。(民族にもよるかもしれません。)

ミンダナオ島では、目の部分しか見えないような服装をしている女性もいるし、ヒジャブで髪や首をカバーすればOKというケースも見られるようです。

(いろいろな見解があると思いますが)あるイスラム教徒は、キリスト教もイスラム教も、教えはあまり変わらないと言っていました。たとえば、キリスト教の聖母マリアは有名ですが、イスラム教では「Maryam」と呼ばれていると教えてくれました。

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