フィリピンには、とても熱心なカトリック信者がいます。
その熱心さは、ホーリーウィーク中のパンパンガ州サンフェルナンドで行われるイエス・キリストの磔(はりつけ)の再現にも表れていると思います。
ここでは、磔の志願者の両手に釘のようなものが実際に刺されます。
磔は、イエス・キリストが処刑された時の様子を、屋外で移動しながら演じる流れの中で行うものです。なので、ほかの役を演じる人たちもいます。
磔を志願する人たちは、(事実かは分かりませんが)貧しい人が多いと聞いたことがあります。この苦行によって夢が叶うと信じている人たちもいるそうです。また過去に犯した罪が許されると信じている人もいるとか。
カトリック教会は止めるように言ったらしいですが、強制力はないようです。
じつはこの行事、今では想像するほど過激ではありません。近年の志願者が同じメンバーらしく、すでに手に穴が開いているため、ひかく的すぐに釘を通せるようなのです。ピアスホールと同じ原理ですね…。
それでも以前はもっと忠実にやっていた可能性があって、「釘を打つ時に、骨を砕かないように気を付ける」とか、「抜く際には医師が待機している」と教えてくれた人もいました。
磔は、今では観光資源でもあるらしく誰でも見学できるようです。ただし、神聖な行事に違いはないので失礼がないように見学したいです。
同様の磔は、探してみるとフィリピンのほかの地域にもあるようです。セブ島の北部で行っているとのうわさも聞いたことがありますが定かではありません。